日総工産の技能社員としてキオクシアで働きたいけど、1ヶ月ほど研修があるらしい。しかも、研修場所が東北地方(宮城県)らしい。うーん、内容が気になるし、そもそも遠すぎて行くか悩む・・・。
ぼくが詳しく教えるよ。その研修には少し前に行ってきたよ。
僕の簡単な自己紹介
- 30代男性
- 日総工産の技能社員(2022年~)
- キオクシア四日市工場のラインエンジニア
- 工場勤務は未経験、半導体業界も未経験
詳しい自己紹介は以下のページをご覧ください。
研修場所:日総テクニカルセンター東日本(宮城県)
僕が入社したタイミングだと宮城県での研修でした。
当初は長野県で研修を受ける予定だったのですが、僕は内定後に2ヶ月ほど考える時間をいただきました。その間に研修場所が変更になったようです。
今後も入社のタイミングによって研修場所が違う場合があるのかもしれません。
研修時の待遇
待遇について載せます。
研修時間:09:00-18:00(うち休憩1時間)
研修時間は09:00-18:00で、休憩時間が1時間あります。通勤時間を含めると1日あたりの拘束時間は08:15-18:45で計10時間30分ほどでした。寮の場所によっては通勤時間が短くなる場合があるようです。
給与:10,400円/日(時給1,300円×8時間)
お勉強をしながらお給料をもらうことができるボーナスタイムです。総支給で187,200円でした。実際にもらった給与明細を別記事に載せています。
休日:土日祝(ほぼカレンダー通り)
僕の場合は祝日のない月だったので土日だけでした。年末年始を挟む場合は休日となり、帰省費も支給されるらしいです。ちなみに、帰宅後や休日は完全に自由な時間です。外出禁止などの規則はありません。
必要な生活費は食費と日用品費ぐらい
研修を受けるだけなら、飲食費と日用品費さえあればOKです。
ネット環境はないので、必要に応じて自分で準備する必要があります。
寮に関する詳しい記事はこちら
引越し代:会社負担(5万円上限)
往復で計5万円まで日総工産が負担してくれます。
- 往路:自宅⇒寮
- 復路:寮⇒配属先
研修地での滞在期間は1ヶ月に満たないので、僕は必要最低限のものだけを持って行きました。長めの旅行のような感じです。
研修が終わった翌朝には出発するので、そもそも大掛かりな引越しをする時間はなさそうです。
リンク(予定):【日総工産】配属前研修に持って行った方が良いものリスト【技能社員】
自宅-寮の交通費:全額会社負担(上限なし)
陸移動の場合は指定時間の新幹線に乗り、飛行機を使う場合は会社が手配したものに搭乗することになります。自家用車を使う場合は実費精算らしいです。
過去には九州から東北まで車で移動した方もいらっしゃるようです。もちろん車で研修地まで行ったら、研修が終わった後に配属先まで行くのも車になるので大変です。
立て替えた費用は7日後に返ってきた
立て替えた費用(行きの交通費と引越し代)についてですが、領収書を提出すると早めに返ってきます。僕の時期だと、領収書提出から7日後(5営業日後)に指定の銀行口座へ入金されました。素晴らしく早いと感じました。ちなみに、研修初日に入社書類の記入や領収書の提出などをします。立て替え費用の精算に関しては、社内で処理をする決まったタイミングがあるらしく、そのタイミングと領収書提出のタイミングによって前後するようです。
寮:民間の賃貸(僕は大東建託の築6年1LDK)
大きくいくつかのエリアに分けられる(知っている限りでは2箇所)ようですが、僕の場合は栗原市の中心部「築館」という地域でした。
寮に関する詳細は別記事にしています。
研修の内容
基礎的なことから専門分野までやります。
半導体分野は内容的には難しい部分もありますが、理解度100%でなくてもOKです。
- プラズマとは何なのか説明せよ。
- ラジカルとは何なのか説明せよ。
例えば、このような難しい内容までは理解できなくても問題ないということです。これらは半導体業界の人でも的確に答えられる人は少ないはずです。
1日のスケジュール
装置メンテナンス(PMKコース)とラインエンジニア(LEコース)で研修内容は違います。研修室も別です。ここでは、僕が体験したLEコースの、とある1日のスケジュール例を紹介します。思い出しながら書いているので、時間は少し間違っているかもしれません。
- 08:10寮を出発
徒歩で指定のバス停へ向かう。
- 08:15バス停でバスに乗車
日総工産が手配するバス(無料)へ乗る。窓の外を眺めると長閑な田舎の風景を楽しむことができる。
- 08:45TC東日本に到着
研修生がバスからぞろぞろと降りて建物内へ向かう。靴を履き替え、研修室で作業着に着替え、朝礼会場へ。
- 09:00朝礼(雨天時は体育館)
ラジオ体操、社訓唱和、オアシス、1分間スピーチ
- 09:20理解度テスト
前日の内容から出題される。8割以上で合格、不合格時は追試。
- 09:50講義
座学です。時々休憩が入る。
- 12:00お昼休み
昼食は持参OKだが、400円の仕出弁当がまあまあ高コスパ。食後にはキャンディ食べ放題(熱中症対策としてロビーに置かれている、減るとすぐに補充される)。
- 13:00講義
座学です。時々休憩が入る。
- 15:00クリーンルーム研修
装置に触れる、数値を記録する、比較する、など。
- 16:30講義
座学です。時々休憩が入る。
- 18:00終了、帰宅準備
作業着を脱ぎ、靴を履き替え、外へ向かう。
- 18:15バスに乗車
研修施設の敷地内からバスに乗る。
- 18:45バス停に到着
徒歩で寮へ向かう。
- 18:50寮に帰宅
自由時間のはじまり。
朝礼について
ここでは、朝礼の内容について少し詳しく載せます。研修センターに到着すると、まずは作業着に着替えて朝礼会場へ向かい、整列します。そしてラジオ体操をした後に朝礼が始まります。
オアシスとは
- おはようございます。
- ありがとうございます。
- しつれいします。
- すみませんでした。
これらを司会者の後に続いて全員で一斉に発声します。
社訓唱和とは
NISSOは・・・
- 人の企業である
- 挑戦の企業である
- 共存共栄の企業である
- 社会的責任の企業である
これらを司会者の後に続いて全員で一斉に発声します。
1分間スピーチとは
研修生の人数によって回数は変わってくるようですが、僕は3回スピーチする機会がありました。テーマはどんなものでも良いです。自己紹介、地元のこと、時事ネタ、マイブームなどなど。
僕は大きい声を出すのが苦手ですが、堅苦しい雰囲気を打破してみんなを笑わせようとするゲームを楽しんでいました。なかなか難しいゲームでした。
中には自己紹介を淡々と語り続けて3分間を超えるという猛者もいました。
発言者がスピーチをした後は、司会者が誰か1人に対して感想を求めます。スピーチを聞いていないと感想を言えないので注意です。
理解度テスト(前日の内容から出題)
3日目以降(曖昧です)は毎日テストがあります。
あまり心配しなくても大丈夫です。テストの内容は難しくないので、勉強さえすれば合格できます。
僕はほとんどの試験は勉強なしで合格できました。それだけ講師の教え方が上手いということです。そして、理系の方だと既存の知識だけで合格できるようなテストもありました。しかし、半導体や品質管理の分野となると少なからず勉強が必要でした。
クリーンルーム研修とは
クリーンルーム研修の内容はだいたいの次の通りです。
- クリーンスーツの着方と脱ぎ方
- クリーンルーム用の靴の履き方、脱ぎ方
- クリーンルームの入場方法、退場方法
- 装置に触れる
- 数値を記録する
- 数値を比較する
TC東日本のクリーンルームには、実際に半導体の製造現場で使われていた装置が設置されています。どんな装置かを載せるのは不適切だと判断したので載せていません。ご自身で確かめてみてください。
最終日:決意表明と修了式、引越し準備
最終日には、パワーポイントで資料を作って全員の前に立って発表します。特に難しい内容ではありませんし、パワーポイントを使った経験がない方でも問題なくできる内容です。
僕はここでもみんなを笑わせようとするゲームを楽しんでいました。最終日のせいか研修生の緊張感は和らいでいて、1分間スピーチのときと比べるとゲームの難易度は低めに感じられました。
そして修了式をして研修終了です。寮に帰ったら引越し準備です。時間のゆとりはありません。
職員について
少なくとも僕がTC東日本で体験した限りでは、職員は親切で優しい方ばかりでした。そして教えることを仕事にされている方々なので、教え方も上手で分かりやすかったです。
同僚について
キオクシア岩手のPMKコースの方がほとんど(20人ほど)で、キオクシア四日市工場のLEコースの方は6名のみでした。部屋が別れた後は、別コースの方と話す機会はあまりありません。キオクシア岩手にもLEはいるはずだし、四日市工場にもPMKはいるはずなんですが、今回の研修にはいませんでした。
製造業、飲食業、介護職、ニート、などなど、様々でした。ちなみに僕はほぼニートに分類されるはずです。
高校卒、専門卒、短大卒、大学卒、色々だと思われます。おそらく全員が気にしていないし、気にする理由もありません。
推定で20代前半~40代後半まで幅広くいらっしゃったように思います。実年齢は聞けていないので、あくまで推定です。
僕の時期だと、男女比は5:1程度でした。時期によってバラつきがあるのだと思われます。
寮が近所にある同僚とは飲みに行ったりもしました。宮城県の名物ホヤを食べに行ってきました。
研修の目的(推測)
技能社員研修の目的を僕が勝手に推測しました。
- 採用した人材の価値を底上げすることによる単価UP
- 価値の高い人材を揃えることによるブランド力UP
- 明らかに問題がある人物の排除
大きく間違っていない、と思いたい。
人材派遣会社というのは、どんな人でも派遣さえすれば売上を得られます。しかし、顧客との信頼維持のために明らかに問題のある人物は事前に排除したいはずです。人材を商品と考えると、商品を納品する前の検品作業のようなものです。研修のコストは多大ですが、問題ある人物を派遣してしまうと顧客からの信頼を失ってしまいます。
おたくから派遣されてきた人、ずっと寝てるワン!!そういえば前の人は態度が最悪だったワン!!おたくの人材どうなってるワン!!もう他社に頼むワン!!!
おたくから派遣されてきた人すごく優秀だワン!!そういえば前にも優秀な人を送ってくれたワン!!おたくの人材もっと欲しいワン!!単価も上げちゃお!!
こうすると分かりやすいでしょうか。日総工産としても顧客に対して優れた人材を派遣したいはずです。そうすることにより、顧客からの信頼を得られ単価UP、良い評判が広がりブランド力UPを狙えます。『少し高くても良い商品を』みたいなコンセプトなのかもしれません。
感想
研修全体を通しての感想を述べます。
行って良かった
- お金を貰いながら新たな知識を得られる
- 勤務時間外は学生に戻った気分を味わえる
- 職員の方は親切で優しい
- 飲食費以外は出費なし
- 知らない地域に滞在できて新鮮な気分になる
日総工産のオカネの使い方
僕は入社する会社のオカネの使い方をよく観察します。無駄な使い方(浪費)をしている企業はマイナスに見て、成長を見込める使い方(投資)をしている企業はプラスに見ます。
- 廃校になった学校の校舎を研修施設として活用している
- 職員の事務作業用PCは古い
- 別部屋にあった3D-CAD用(?)のPCはおそらく高スペック(僕たちは未使用)
- 約1ヶ月間の研修を好待遇で行う(高コスト)
このあたりから判断する限りでは、日総工産のオカネの使い方は堅実だと思いました。僕はプラスの印象を抱きました。
あくまで堅実。それを世間がどう評価するのかは分かりません。例えば、美しい建物をつくることによって優秀な人材を得やすくなるのなら、それは投資になり得る。僕はそのへん詳しくないんだ。だから堅実としか言えない。
マイナスに感じた点
特になかったです。本当に。
- 寮から研修施設までの移動時間30分ほどでやや長め。拘束時間はやや長い。ただし気にするほどではない。
- 事務手続きが効率化されていない(他部署や他エリアとの連携が上手くできていない?)印象を受けた。同じ質問に3度も回答する機会があった。
- 寮の布団は大不評だった。僕は平気だったが。
これから技能社員研修を受ける方へ
- 研修後には時間の余裕がありません。荷物は少なめで行くのがオススメです。
- 一人暮らし中の方は、部屋を解約して荷物を実家に送るなどしておいた方が良さそうです。
- ぜひホヤを食べてみてください。
今後は便利な記事を作ってここに貼る予定
- 日総工産の技能社員|研修中の『寮』について【体験者が執筆】
- リンク(予定):【日総工産】配属前研修に持って行った方が良いものリスト【技能社員】
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僕が日総工産の技能社員として半導体メーカーに派遣されてからの給与明細などを記録しています。
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- 日総工産の技能社員│キオクシアに派遣された感想【体験者が執筆】
完成次第UP予定です。
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